高橋俊介著『キャリアショック』SB文庫

p.31

CSR(キャリア・セルフ・リライアンス)のコンセプト
  1. 自己認識と価値観の確立
  2. 生涯学習の実践
  3. 未来思考の行動特性
  4. 人的ネットワークの積極的開拓と活用
  5. 変化への適応性

HPが全社員に訴えかけたCSRのコンセプトは、上のような五つの柱からなっていた。
この内容を一目してわかるように、CSRがきわめて特徴的であったのは、単に社外で売れるスキルを身につける、あるいは、普遍性のある資格を取るといったレベルの話ではなく、いつキャリアショックがやってくるかわからない環境激変の時代に、自分で生き抜く力を五つの要素で示し、強く意識づけを行っていることだ。

p.33

プランド・ハップンスタンス・セオリーとは、直訳すれば、「計画された偶然理論」ということになるが、ひとことでいえば、変化の激しい時代には、キャリアは基本的に予期しない偶然の出来事によってその八割が形成されるとする理論だ。そのため、個人が自律的にキャリアを切り開いていこうと思ったら、偶然を必然化する、つまり、偶然の出来事を自ら仕掛けていくことが必要になってくるというのだ。

p.81

自分のキャリアの幸せは自分でつくる。そのとき、動機が原点になる。自分の動機を知り、単にいまあるスキルやコンピタンシーとのマッチングではなく、動機とできる限りマッチングするキャリアを切り開いていくのだ。

キャリアを形成するためには、ニーズがあるスキルなどを身につけるのではなく、自分の動機や価値観をもっとみつめる。偶然を必然化させる。そういった視点が新鮮でした。
「これからどうやってキャリアを形成していったらよいのか」といった不安を抱えるばかりではなく、自分の好きなことに没頭し、掘り下げる時間を持つことで道が拓けるのかもしれません。

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