久手堅憲之著『日本のソフトウェア産業がいつまでもダメな理由』技術評論社
p.39
プロジェクトのあり方をよりよくするためには、組織が積極的な役割を果たすことが欠かせないはずだ。これはつまり、提供するサービスの品質を組織としてどう考えるかという問題に他ならない。
p.140
筋の通ったITを整備しなくてはならない企業や組織は、実は従来型の産業の中に多いのではないのかという疑問がある。さらに、IT系として世間でもてはやされている企業にとって、それほどITが重要なのだろうかという疑問もある。
p.144
IT業界の寵児と呼ばれた急成長企業は、実は金融業と呼ぶべき仕事をしている。技術屋のはずのソフトウェア開発企業も、実は人材斡旋業にシフトしている。だとすると、日本にIT企業はいなくなっているのだろうか。
(中略)
現在の日本において真にIT企業と呼ぶべき企業とは、クリティカルな業務にITが切り離せなくなっている諸業種なのではないか。つまり、ダメITが、社会に多大な迷惑を及ぼしてしまうかもしれない業種・業態だ。
タイトルに「いつまでもダメな理由」とありますが、もちろん今後も「ダメ」でいいわけはありません。
他の産業でも同じかもしれませんが、大雑把に
・自分たちが提供している物(情報システム)やサービスに価値があるか
・それをきちんとビジネスにしているか
がますます問われていくことは間違いないと思います。
5月 10th, 2008 in
ソフトウェア