齋藤孝著『天才になる瞬間』青春出版社
p.17
自分の中に蓄積された情報を、自分なりに再編集し、他の人にはマネのできない自分だけのスタイルで”かたち”にする。その方法をつかんだときが、”ブレイクスルー”の瞬間なのです。
p.20
才能には個人差があります。いまから一般の人が、イチローやモーツァルトを目指してみても、残念ながら彼らとは蓄積してきたものに差がありすぎます。いわゆる「器が違う」ということ。
でも、自分の器なりに、器を大きくしていきながら、いずれは周囲から自分を天才と認めさせることは決して不可能ではありません。
p.35
〈創造というのは記憶ですね。自分の経験やいろいろなものを読んで記憶に残っていたものが足がかりになって、何かが創れるんで、無から創造できるはずがない〉
(黒澤明)
p.39
しかし、創造性の源となる”トビウオ”は、情報そのものではなく、情報に伴う脳の働きや心の動きなのです。その気まぐれなトビウオをキャッチできるのは、ありのままを写し取ってしまうハイテク機器よりも、一度自分の脳というフィルターを通して文字に変換されるメモというローテクのノウハウのほうが優れているのです。
p.45
一日に一枚しか書けなくても、一年かければ、三百六十五枚のシナリオが書ける。
(黒澤明)