ダライ・ラマ14世&L. V. D. ムイゼンバーグ著『ダライ・ラマのビジネス入門』マガジンハウス

p.27

意思決定プロセスの最終段階ではつねに、「この決定による影響は組織やその他の関係者にとって有益だろうか?私の動機は何だろう?自分の利益だけを追い求めていないだろうか、他人の利益も考慮しているだろうか?」と自分に問いかけよう。

p.40

仏教の教えでは、人間とは、これまで積み重ねてきたあらゆる行いの集合体です。善い行いは善い人間をつくり、悪い行いは悪い人間をつくります。悪行の影響は、その後になされた善行によって軽減されます。これが〈カルマの法則〉です。

p.46

自分を疑うのは時間の無駄です。問題の解決には役に立たないのですから。自己不信と戦うには、リーダーは〈縁起〉の概念を日常的に実践しなければなりません。つまり、すべての要素を考慮に入れることで賢い選択をするということです。意志決定をする立場にある人が広い視野で考えるようになると、自分の行動の正しさを感じられるようになり、自信が芽生えてきます。

p.70

ブッダは、道徳にかなった指示には従うべきだが、「不健全」な命令は無視するようにと説かれました。教師の教えに懐疑的であることの重要性を指摘なさったのです。師の中でもその最もたるものであるブッダは、弟子に言われました。
「人々が黄金の純度を測るために火に投じ、削り取り、試金石で調べるように、あなたも私への敬意から私の教えを信じるのではなく、私の言葉が正しいかどうかを徹底的に検証してから受け入れなければならない」

p.98

人生の目的は何かと聞かれて、はっきりとした答えをもっている人はほとんどいませんーもちたいという人は多いのですが。この質問に対するわたしの答えはとても単純です。人生の目的とは、しあわせになることです。そして、目的を共有すること、つまりともにしあわせを望むことが、人が組織への帰属感をもつための必須の条件です。

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