齋藤孝著『ロングセラーの発想力』ダイヤモンド社
p.3
時代をとらえて次々と新しい商品を世に送り出すことは、もちろんビジネスの要諦である。そこからヒット商品が生まれれば、それに越したことはないだろう。だが、一つの商品がロングセラーとなって長く愛され続けるということも、ビジネスの理想的な姿である。やや大げさに言えば、その商品は社会の”普遍的な価値”を探り当てたことになるからだ。
p.21
消費者にクセをつけさせることができれば、その商品は間違いなく長寿になるのだ。
だとすれば、商品を提供する側には責任が生じる。一度消費者にクセをつけさせた以上、安易にそれを変えてはいけない。たとえ苦しい時期があったとしても、なお待っている人を決して裏切らない。そういう深い倫理観に裏打ちされてこそ、一対一のかけがえのない関係を築けるのである。