エリック・シンク著『革新的ソフトウェア企業の作り方』翔泳社
p.9
我々が潜在的に年間3百万ドルになるマーケットを検討しているとしよう。大きなベンダにとってはこのような小さなマーケットは追いかけることを検討すらできない。彼らの時間に値しないのだ。しかし年間3百万ドルの収入というのは、社員が15〜30人の小さな会社であれば十分支えることができる。このニッチにはチャンスがあり、誰かがそこに素敵な会社を作ることだろう。
p.10
それから、小さな会社は優れた製品によって顧客にサービスするという基本に集中しやすいということがある。ベンチャーキャピタルや4半期ごとの決算に対する期待といったことにより気を散らされることがない。よく見もしないで小さな会社を軽視したりしないことをお勧めする。
p.61
読書というのは自分の問題の答えを見つける場所ではない。そうではなく、読書は自分で答えを見つけるのに役立つバックグラウンドを身につけるための方法なのだ。
p.71
私が学んだことの1つは、小さなISVはプログラマを雇うべきではないということだ。
(中略)
“プログラマ”(コードを書くことに特化した人)ではなく、必要なのは”開発者”(製品の成功のためにたくさんの面で貢献する人)なのだ。
p.75
そのような広範なスキルセットを持った開発者は簡単には見つからないのでは?
そのとおり。本物の開発者というのは貴重なものだ。たぶん外から雇ってくることはできない。自分のところにいるプログラマたちが開発者へと変わっていけるように手助けしてやる必要がある。
ひとたび彼らが開発者へと変わったなら、彼らを会社に引き留めておくために多大な努力をする必要があるだろう。そうしなければ、彼らは大会社でマネージャになるか、あるいは自分の会社を立ち上げることだろう。
p.145
ジム・バークスデールの競合選択の考え方が私は好きだ。バークスデールというのはNetscapeのCEOだった人だ。彼は、一番良いアプローチは「大きくて無能な」競合を見つけることだと言っている。