Neal Ford著『プロダクティブ・プログラマ』オライリージャパン

vii.

かなり前の話ですが、著者は経験あるプログラマを対象に、(Javaなどの新しい技術を教える研修プログラムを受け持っていたことがあります。その時に驚いたのが、受講者間での「生産性」の差が非常に大きかったことでした。生産性の低い人と高い人の違いは歴然でした。効率の違いは、使っているツールによるものではありませんでした。コンピュータとの全般的な関わり方の違いが、その差を生んでいたのです。

p.4

物事の中に何か「パターン」を見つけ出せば、そしてそれに「名前」をつけることができれば、同様の物事の存在に気づきやすくなるのです。

p.43

「後」はいつになてもやって来ません。生産性の高いソフトウェア開発者になるためには、いかに目先の生産性を下げずに(皮肉な話ですが、実際、下がってしまいます)に、将来の生産性向上につながる活動をするか、そのバランスが重要になります。

p.81

私たちの試算では、同じ分割を手作業で行った場合、約10分を要すると考えられます。一方、自動化に要したのは約1時間です。最終的に、同じ作業をあと5回繰り返すことになったため、自動化に費やした時間の「元は取れた」ということになりますが、実はそれは大した問題ではないのです。単純な手作業の繰り返しは、人間から知力と集中力を奪ってしまいます。知力と集中力は、生産的活動にとって最も重要な資産ですから、それが奪われることは何より重大な損失なのです。

p.262

Ruby on Railsの作者であるDavid Heinemeier Hansson氏は、こんな風に言っています。—「高まった生産性を仕事を余計にこなすためではなく自分の将来に向けて使おう」。
(中略)
大事なポイントは1つ。生産性の高いプログラマは、生み出した時間を使って、自分の人生をより豊かにするための投資をすることができるのです。
(監訳者あとがき)

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