p.89
「おれはイヤな仕事ばかり与えられる。本当についていない。」と言う人がよくいますが、それはついていないのではなくて問題設定能力がないのです。問題設定能力のひじょうに高い人は、つねに自分で問題を設定して、仕事を作ってしまいます。(中略)
やりたくない仕事を与えられる前に、重要な仕事を自分から作ってしまう。ますます力が上がっていく。それによって、さらに重要で手応えのある仕事をまかされるようになっていくという好循環にハマる。そのためにも「仮説ー検証のサイクル」を身につけることが重要なのです。
続けて高橋俊介さんの本を。前掲の『キャリアショック』よりも、読み物としては読みやすいかも。
タイトルから社員教育のような内容をイメージしていましたが、実際は「含み損社員」(現在もらっている給料より市場価値が下がってしまっている状態)にならない、またはなってしまっても幸せに生きていくためには、といった内容がメイン。
3月 11th, 2008 in
仕事 |
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p.31
CSR(キャリア・セルフ・リライアンス)のコンセプト
- 自己認識と価値観の確立
- 生涯学習の実践
- 未来思考の行動特性
- 人的ネットワークの積極的開拓と活用
- 変化への適応性
HPが全社員に訴えかけたCSRのコンセプトは、上のような五つの柱からなっていた。
この内容を一目してわかるように、CSRがきわめて特徴的であったのは、単に社外で売れるスキルを身につける、あるいは、普遍性のある資格を取るといったレベルの話ではなく、いつキャリアショックがやってくるかわからない環境激変の時代に、自分で生き抜く力を五つの要素で示し、強く意識づけを行っていることだ。
p.33
プランド・ハップンスタンス・セオリーとは、直訳すれば、「計画された偶然理論」ということになるが、ひとことでいえば、変化の激しい時代には、キャリアは基本的に予期しない偶然の出来事によってその八割が形成されるとする理論だ。そのため、個人が自律的にキャリアを切り開いていこうと思ったら、偶然を必然化する、つまり、偶然の出来事を自ら仕掛けていくことが必要になってくるというのだ。
p.81
自分のキャリアの幸せは自分でつくる。そのとき、動機が原点になる。自分の動機を知り、単にいまあるスキルやコンピタンシーとのマッチングではなく、動機とできる限りマッチングするキャリアを切り開いていくのだ。
キャリアを形成するためには、ニーズがあるスキルなどを身につけるのではなく、自分の動機や価値観をもっとみつめる。偶然を必然化させる。そういった視点が新鮮でした。
「これからどうやってキャリアを形成していったらよいのか」といった不安を抱えるばかりではなく、自分の好きなことに没頭し、掘り下げる時間を持つことで道が拓けるのかもしれません。
3月 11th, 2008 in
仕事 |
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p.65
アントレプレナーシップを支える「常軌を逸した熱」は、「やりたいことをやる」という気持ちと「社会をより良くしたい」という思いの組み合わせによって持続します。お金が最優先事項では、長期に渡ってそういう熱が持続しません。(中略)倫理性と経済性が融合したシリコンバレーのそんな独特な論理が、仕事の面白さを倍増させ、「働く意欲」の強い源になっているのです。
p.72
日本の場合、「チームワーク」という概念に、「優秀な個」という前提が自動的にはビルトインされていないところが落とし穴だと思います。
p.230
私はここ数年ずっと、「ネット世界とは学習の高速道路なのだ」というネット観について考えてきました。おそらくこのまま十年が経過すると「学習の高速道路」の充実度は、言語圏によって大きく異なってきます。
p.260
どれほどの数の人がいても、一人ひとりの個性や経験や環境はすべて異なります。さまざまな個性や志向性を組み合わせていけば、「自分がやらない限り世に起こらないことをする」ことは必ずできる。これは誰にも開かれた考え方で、それがフラット化するこれからの時代に、仕事の上でコモディティ化しないための心構えだとも思うのです。
ひとこと。
よく職場などで「自分の強みがわからない」「自分には強みがない」などと言う人がいますが、それはその環境に期待されている(と思っている)尺度に自分をあてはめてしまっているからではないか。
もっと自由に、自分の個性を膨らませてみれば、自分の強みとして捉えることができるんではないか。
最後の引用箇所を読んで、そんなことを感じました。
3月 6th, 2008 in
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梅田望夫 |
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