p.30
「今」という時点の常識に、あまり縛られすぎると、自由な発想ができなくなる。モノのカタチも、サービスのあり方も、しょせんは過去に誰か他の人間が決めたその時点での決定だ。後から覆そうと思えば、いくらでも覆せる。本当にいい決断をするには「今の時点」の常識に捉われず、本来どうあるべきかを根本から考える必要がある。
p.34
他社との比較を出発点にしたのでは、大きな飛躍のある製品や、本質的に素晴らしい製品、根本的に違う製品を生み出すことはできない。本当にいい製品をつくりたければ、向かうべき相手は他社ではなく、自社のほうだ。製品の本質をよく検証した上で、それに対して自社の強みをどう生かせるかを考えるべきなのだ。
p.101
アップルは自社のブランド価値に依存し、それを事業の源泉にしているのである。
p.171
日本のベンチャーであれば、IPOを目指してユーザー数やページビューにこだわるあまりに、テクノロジーではなくビジネスモデルだけで勝負したり、実際の売り上げにつなげようと受託開発に走るしかない場合が多過ぎる。だから、ビジネスモデルもテクノロジーも、人真似にならざるを得ないのである。
最後の引用箇所は「だから」からちょっと飛躍している感がありますが。「本質的にいい製品」を生み出していないように思われるということでしょうか。
あまり関係ありませんがこの本、カバーがベタベタして不快だったのではずしてしまいました。なんとかならなかったのでしょうか…。
5月 15th, 2008 in
インターネット | tags:
apple,
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p.39
プロジェクトのあり方をよりよくするためには、組織が積極的な役割を果たすことが欠かせないはずだ。これはつまり、提供するサービスの品質を組織としてどう考えるかという問題に他ならない。
p.140
筋の通ったITを整備しなくてはならない企業や組織は、実は従来型の産業の中に多いのではないのかという疑問がある。さらに、IT系として世間でもてはやされている企業にとって、それほどITが重要なのだろうかという疑問もある。
p.144
IT業界の寵児と呼ばれた急成長企業は、実は金融業と呼ぶべき仕事をしている。技術屋のはずのソフトウェア開発企業も、実は人材斡旋業にシフトしている。だとすると、日本にIT企業はいなくなっているのだろうか。
(中略)
現在の日本において真にIT企業と呼ぶべき企業とは、クリティカルな業務にITが切り離せなくなっている諸業種なのではないか。つまり、ダメITが、社会に多大な迷惑を及ぼしてしまうかもしれない業種・業態だ。
タイトルに「いつまでもダメな理由」とありますが、もちろん今後も「ダメ」でいいわけはありません。
他の産業でも同じかもしれませんが、大雑把に
・自分たちが提供している物(情報システム)やサービスに価値があるか
・それをきちんとビジネスにしているか
がますます問われていくことは間違いないと思います。
5月 10th, 2008 in
ソフトウェア |
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p.17
DHH「世界はもっとたくさんのソフトウェアが必要なわけではない、もっと少ないんです。」
DHHさんについては、4/19に行われたスタートアップスクールという講演内容など、共感できるところが多いです。(日本語での解説はこちらなどどうぞ。)
「必要なものはもっと少ない」のであれば、不必要なのに存在しているものはいったい何なのか。それは誰かの都合で存在しているものかもしれません。
自分の都合ではなく、自分の価値観からものを作っていきたい。そんな気がします。
4月 30th, 2008 in
ソフトウェア | tags:
小飼弾 |
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PASONA TECH主催のあすなろBLOGカンファレンスというイベントに参加し、その会場でいち早く入手できました。
大橋さんの著書は他にも読ませていただきましたが、この本は特に魅力的な文章になっているように感じました。
(この著書にも指摘がありますが、「関心するばかりで、あぁー面白かった!で終わってしま」っては意味がないのですが…。)
p.9
時間を「必要を満たす果実」と見なすのではなく、「必要を育てる畑」としてとらえ直すのです。従来の考え方が「時間果実」であったとしたら、この本では「時間畑」ということになります。時間果実が消費される時間なのに対して、時間畑は生産を旨をします。
p.33
「重要なことは、正しい答えを見つけることではない。正しい問いを見つけることである」(ドラッカー)
p.46
「神よ、変えるべきものをかえる勇気を、変えられないものを受け入れる落ち着きを、そして、それらを見分ける賢さを与えたまえ。」
(プロテスタント神学者ラインホルド・ニーバー氏)
p.182
遠くをはかる者は富み
近くをはかる者は貧す
それ遠きをはかる者は百年のために杉苗を植う。
まして春まきて秋実る物においてをや。
故に富有なり。
近くをはかる者は
春植えて秋実る物をも尚遠しとして植えず
唯眼前の利に迷うてまかずして取り
植えずして刈り取ることのみ眼につく
故に貧窮す。
(二宮尊徳)
p.185
「本来あるべき姿」が思い描けるようになると、どんな本からも、あるいはどんな人の話からも「仕事を楽しくするためのアイデア」の素が感じられるようになります。常に「どうすれば仕事を楽しくできるか」という質問が頭の中にうずまいているからでしょう。
p.209
もちろん、たくさんのチェックリストが得られる本もあれば、たった一つの質問さえ引き出せない本もあるでしょう。そうなると、本選びの基準がはっきりしてきます。それは、あなたにとって、その本は質問の素に富んでいるか、というものです。
4月 21st, 2008 in
ライフハック | tags:
大橋悦夫 |
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